進学・就職・転勤・結婚などで、これから引っ越しをして新生活を始められる方も多いと思います。
一人暮らしを始めたい人、会社や学校の近くに住み替えたい人、恋人と同棲を始めたい人も、当サイトを参考にして頂けたら幸いです。
みなさん「引っ越し」にはどのようなイメージをお持ちでしょうか?
プラスイメージ | マイナスイメージ |
---|---|
新しい生活が楽しみでワクワク! | とにかく面倒! 高額なお金がかかる 複雑な手続きが多い 新しい土地に対する不安 |
などではないでしょうか。
そのイメージは概ね間違っていません。
心理的には心機一転でワクワクしますが、現実的には多くの手続きとお金が必要です。
特に初めて引っ越しをされる方は、全てが未知の領域で何をどうすれば分からないという方も多いのではないでしょうか。
もしお友達に不動産屋や引越し業者に勤めている人がいたら、絶対に頼りたくなりますよね。
でもそう都合よく不動産屋のお友達や引越し業者のお友達なんていませんよね…。
そんなこれから引っ越しされる方のために、少しでも参考にして頂けたらと思いこのサイトを作りました。
この記事ではまず、引っ越しの事前準備について解説します。
住みたい町を決める
昔から「住めば都」といいますが、そんなことはありません。
住みやすい町もあれば、住むには少々不便な町もあります。
どんな田舎町でも、そこに住んでいる人はいるので住めない町はないと思いますが、引っ越し先が今住んでいる町よりも利便性が高くないと、今より住みやすいとは感じにくいでしょう。
感じ方は人それぞれかもしれませんが、アナタが重視する部分をその町が満たしているかどうかは、住む町を選ぶ上でとても重要だと思います。
まず住む町を選ぶ上で考慮したいポイントを解説します。
会社(学校)までの通勤(通学)時間
通勤・通学は毎日のことですし、遠いよりも近いに越したことはありません。
私は通勤時間は「人生のロスタイム」だと思っています。
最寄駅から勤務先の最寄駅までの所要時間ではなく「ドア・ツー・ドアで何分以内」で考えて住む場所を選ばないと、多くの時間をロスしてしまいます。
その町の家賃相場
家賃は毎月払い続けるものですから、安ければ安いほうがいいです。
住む部屋も広い方がいいですし、できることなら新しい方がいいですね。
しかし、そんな安くて好条件の物件なんてどれだけ探しても滅多にありません。
あるとしたら事故物件ぐらいでしょう。
家賃には相場というものが存在します。
ネットで「○○区 家賃相場」や「○○市 家賃相場」で検索すると調べられます。
家賃負担は月収の1/3(30%)以下が妥当とされています。
ご自身の収入と住みたい町の家賃相場の割合をチェックしてみてください。
周辺のお店
住みたいなと思う町が決まったら、周辺にどんなお店があるかをリサーチしてみましょう。
スーパーや飲食店が多い町は、衣・食・住の「食」に関して選択肢が増えるので重視しましょう。
他に、美容室、郵便局、自転車屋、ホームセンター、病院、学校など、生活に直結したお店や施設が集中している地域は住みやすい町と言えるでしょう。
以上のポイントを踏まえて、住みたい町の候補を3つぐらい考えておきましょう。
家賃の予算を決める
上記でも触れましたが、家賃負担は月収の1/3(30%)以下が妥当とされています。
それ以上になると生活が圧迫され、貯蓄が出来ず毎月自転車操業になってしまいます。
また家賃のみで考えがちですが、共益費や駐車場代も含めて考える必要があります。
物件を借りて生活するには家賃以外にも毎月払わなければいけないお金があります。
光熱費、食費、日用品、携帯電話等ですが、節約しようとしてもゼロには出来ない出費です。
これらが家賃と共に毎月出ていきます。
生活に余裕を持たせるためにも、家賃負担は月収の1/3(30%)以下を厳守して予算を決めましょう。
また、不動産屋さんに行くと必ず予算を聞かれると思います。
この時、決して本当の予算を伝えてはいけません!
不動産屋さんには予算-5千円ぐらいの金額を伝えることをおすすめします。
例えば家賃の予算が6万円だと伝えると、不動産屋は6万円台の物件を紹介してきます。
予算より少し高い物件を紹介するのは不動産営業の常套手段です。
家賃の予算の上限が6万円だとすると、実際は家賃5万円台の物件を契約したいところですが、6万円台の物件を見せられ心が揺らぎます。
家賃5万円台の物件より、6万円台の物件の方が良くて当然なのです。
同じ間取りで比較されると、誰だって高い物件の方が魅力的に見えてしまいます。
これにまんまと乗って家賃6万5千円の物件に決めてしまうと、実は共益費が5千円あって結局毎月7万円を支払うなんてことになってしまいます。
毎月1万円の差は大きいですよ!
年間12万円です!
自由になるお金が12万円もあったら何に使います?
家賃の上限(予算)はアナタの中でしっかりと決めておいて、これは絶対に崩さないようにしましょう。
間取りを決める
部屋の間取りが広くなればその分家賃も高くなりますから、予算と間取りは並行して考えると良いと思います。
「ワンルームと1Kって何が違うの?」とか「2Kと2DKって何が違うの?」とよく聞かれたりするので簡単に解説します。
略称 | 名称 | 意味 |
---|---|---|
R | Room | 居室 |
K | Kitchen | キッチン |
DK | Dining Kitchen | 食事スペースのあるキッチン |
LDK | Living Dining Kitchen | リビング(居間)とキッチン |
S | Service room | 納戸や収納スペース |
RF | Roof floor | ロフト |
ワンルームは「1R」と表記されることもありますが、その名の通り1つの居室を意味します。
「1K」は1つの居室+キッチン、「1DK」は1つの居室+食事スペースがあるキッチンです。
「1LDK」は1つの居室+リビング(居間)&キッチン&食事スペースです。
「2DK」や「3DK」という間取りもありますが、アルファベットの前の数字は居室の数を表していますので、「2DK」だと2つの居室+ダイニングキッチン、「3DK」だと3つの居室+ダイニングキッチンです。
ワンルームや1Kなど、単身用の部屋に多いロフトは「RF」と表現されることがあります。
間取り図では部屋の設備についても用語で表記されていることがあるので説明します。
略称 | 名称 | 意味 |
---|---|---|
WC | Water Closet | トイレ |
UB | Unit Bath | ユニットバス |
CL | Closet | クローゼット |
WIC | Walk In Closet | ウォークインクローゼット |
PS | Pipe Space | パイプスペース |
MB | Meter Box | メーターボックス |
間取りは住む人の人数や荷物の量に比例して広い部屋が必要になってきます。
一概に上記の間取りで広さが把握できるわけではありません。
同じ1Rでも、6帖、8帖、12帖と広い物件もあります。
この段階では漠然とでも結構なので、どのような間取りで、どれぐらいの広さのところに住みたいかを考えておくと良いでしょう。
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初期費用(契約金)を算出する
物件を借りる際にかかる初期費用(契約金)を算出します。
物件には家賃とは別に「敷金」と「礼金」があります。
敷金とは ⇒ 入居する時に大家さんに預けて、退去する時に返してもらえるお金です。
礼金とは ⇒ 入居時に払うお金ですが、戻ってこないお金です。
※関西では敷金・礼金と呼ばず「保証金」という名前で呼ばれます。
その他に、火災保険料、仲介手数料、鍵交換代、入居月の日割り家賃、翌月の家賃の前払いを契約時に支払います。
ペット可の物件だと敷金が一ヶ月分上乗せになったり、家賃が数千円上乗せされたりします。
また、最近では従来の連帯保証人に代わり、家賃保証会社を利用するケースが増えています。
保証料は家賃保証会社によって様々です。
最初に家賃の数十%~1ヶ月分を一括で支払う場合もありますし、毎月家賃の数%を家賃保証料として支払う場合もあります。
一般的に初期費用(契約金)は家賃の4~6ヶ月分程度かかります。
家賃6万円なら24万円~36万円程度かかることになります。
かなりの大金です。
引っ越しを安く済ませるためには、この初期費用を抑えるか、引越し費用を抑えるしかないと思います。
ここで注意して頂きたいのは…
初期費用を安くしたいからと言って「敷金礼金ゼロ」の物件を安易に選んではいけません!
敷金礼金ゼロ物件は、退去時に必ず支払いが発生し、お金を支払わなければいけません。
通常、敷金を家賃の1ヶ月~2ヶ月分預けますが、これは「家賃の担保」という性質があります。
大家さんは家賃を滞納された際に、この敷金から充当します。
敷金は家賃の滞納がなければ本来は全額返ってくるお金ですが、一般的には原状回復費用の修繕費を計算して、借主負担分をこの敷金から差し引いて返還します。
退去時にハウスクリーニング費用や畳の表替え費用、抗菌消臭代などを借主が負担する場合もこの敷金から差し引かれます。
これは、特約として契約書の目立たないところにこっそり書いてあったりするので注意してください。
このように、退去する際にも多かれ少なかれ費用は発生するのですが、通常は預けた敷金範囲内で収まります。
敷金を全く預けていないと、これらの費用を退去時に全額支払わなければならなくなります。
退去する際には引っ越し先の契約金や引越し費用など、何かとお金がかかる時なので、新居と旧居両方で支払いが発生するのはかなりの痛手になります。
また、敷金礼金ゼロ物件には「契約一時金」という謎の返ってこないお金を支払う場合があったり、契約期間内の解約に「違約金」が発生する場合があります。
他にも、相場より家賃が割高に設定されている場合もありますので注意が必要です。
人気がない物件になんとか入居してもらいたくて、敷金礼金ゼロにしている場合もあります。
人気がない物件は何かしらの問題点がある場合が多いです。
敷金礼金ゼロ物件の全てが悪い物件ではないと思いますが、良い物件に出会える可能性は低いと思います。
もしどうしても気に入った敷金礼金ゼロ物件があったなら、自分から敷金を預けておくことをおすすめします。
上記を踏まえて、初期費用(契約金)は家賃の4~6ヶ月分程度かかると認識しておきましょう。
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引っ越しの時期を決める
なぜこの段階で引っ越し時期を決めるかというと、引っ越しに係る手続きには時間がかかるものも多く、引っ越しする時期を決めてから逆算して動く必要があるからです。
正確な引越日は、新居を決めて、引越し業者を押さえる必要がありますので、ここでは大体の時期を決めておくと動きやすくなると思います。
引っ越しに係る準備期間は平均的に1ヶ月半~2ヶ月程になるかと思います。
転勤や進学などで引っ越しの期限が決まっていれば、逆算して2ヶ月程前から準備を始めると良いと思います。
漠然とそろそろ引っ越そうかなと思っている方は、気に入った物件が見つかるまでゆっくり時間をかけて探すのも良いと思います。