賃貸における家賃交渉のタイミングは2つ。
入居時と更新時です。
家賃は毎月支払うものですので、少しでも安くなると嬉しいですね。
特に同じ賃貸物件に長く住んでいる方は、他の部屋の人と比べて割高な家賃を払い続けているかもしれません。
更新時は家賃を含めた契約内容を見直す絶好の機会です。
入居時の家賃交渉は、家賃を下げてもらうだけの正当な理由が必要なので、そう簡単にはいかないと思います。
興味のある方は下記の記事を参考にしてください。
この記事では、契約更新時の家賃の値下げ交渉について、交渉成功に導くポイントをご紹介したいと思います。
自分の住んでいる物件の家賃を知るべし
引越しを考えている人でなければ賃貸サイトで物件を見ることなんてあまりないと思いますが、これが落とし穴とも言えます。
定期的に賃貸サイトを見ていると自分の住んでいる物件の他の部屋が募集に出ていることがあります。
この時、自分の部屋の家賃よりも安い家賃で募集が出ていたら…かなりショックですよね。
ものすごく損をしているんですもの。
もちろん間取りが違ったり、角部屋だったり、高層階など、条件によって元々の家賃が違うこともありますが、全く同じ条件(同じ階の同じ間取り)の部屋が自分よりも安い家賃で募集されていたら「うちも家賃下げてよ!」って思いますよね。
家賃交渉の際に「〇号室が家賃〇万円で募集されていました」と交渉の材料になるので、まずは自分が住んでいる物件の家賃や近隣の家賃相場を知ることが大切です。
新築に入居した人は要注意
特に新築物件に入居されて10年ぐらい経っている人は要注意です。
新築は当然家賃が割高ですが、新築という魅力に惹かれて家賃が割高でも入居希望者はすぐに集まります。
しかし、築10年の物件だと新築当時のままの家賃では入居者希望者が現れず、相場程度まで家賃を下げないと住みたいという人は来ないでしょう。
戸建ての家に例えると分かりやすいですかね?
数千万円で新築したマイホームが10年後、全く同じ金額で売れるか?と言えば、絶対に売れないですよね。
骨董品とかでない限り、時間の経過と共に物の価値は落ちていくのが普通です。
これと同じで、賃貸物件も築年数が古くなっていくと資産価値も落ちていきますし、家賃を下げないと入居者希望者が来ないので、新築から10年近く経っている物件は家賃が下げられていることが多いです。
これが新築で入居してずっと住み続けている人と、築10年目から入居した人の家賃に差が生まれる理由です。
それにしても新築で入居した人はずーっと新築当時のままの家賃を払い続けなければならないなんて。。。おかしな話ですよね?
「家賃下げて募集するならうちも家賃下げてよ!」と言いたくなります。
不公平ですし、実際他の部屋との家賃の差が知れてトラブルになるケースも少なくないです。
しかし、大家さんも家賃を下げると収入が減るので、契約更新の時に大家さんから「地価が高騰したので家賃を上げたい」という話はあっても「家賃を下げたい」という話はまず出ないと思います。
余程人の良い大家さんなら「築が古くなってきたので家賃を下げますね」と言ってくれる大家さんもいるかもしれませんが、その根底には「家賃の差を知られてトラブルになりたくない」という心理があります。
しかし基本的には家賃は据え置きで契約更新されるのが一般的です。
契約更新は、契約内容の「変更」または「維持」で更新が行われますので、家賃交渉の絶好の機会と言えます。
とは言え、更新手続き当日に切り出しても断られるのがオチですので、更新の半年ほど前から管理会社や大家さんに「次の更新の時に家賃を下げて欲しいです」と言っておくと良いでしょう。
家賃の差は意外と多い
私、以前税理士事務所で働いていた経験がありまして、色々な大家さんの記帳をやっていたのですが、同じ物件でも部屋によって家賃が違うことって意外と多いんですよ。
上記で説明した通り、新築当時から住み続けている人と築数年経ってから入居した人で家賃に差があったり、同じ年でも入居のタイミングで家賃が違ってくることもあります。
例えば同じ年の3月~4月に入居した人と、6月以降に入居した人で家賃が違ったりします。
1~3月の引越しシーズンは多少家賃が高くても入居希望者が来るので、少し家賃が高めに設定されていることが多いです。
1~3月で入居が決まらなかった部屋は最悪1年中空き部屋になる可能性がありますので、5月ぐらいから家賃を下げて募集に出すことが多いです。
そうなると3~4月に入居した人と6月以降に入居した人で家賃の差が生まれるわけです。
家賃交渉のタイミングと交渉材料
家賃交渉のタイミングは先に述べた入居時と更新時が主になりますが、それ以外にも家賃交渉のチャンスとなるタイミングや材料はあります。
- 物件が売却や相続などで大家さんや管理会社が変わった場合
- 雨漏りなど、物件の老朽化が著しい場合
- 大型スーパーの撤退など、生活利便性が低下した場合
- 工場やパチンコ店など、騒音や悪臭を放つ施設が近隣にできた場合
- 近隣に大きなマンションなどが建ち、日当たりが悪くなった場合
上記のように、居住環境の悪化や利便性の低下は家賃交渉の絶好の材料になります。
しかし、契約期間内に契約内容を変更するのは難しいので、次回の更新の時に家賃を下げてもらうように交渉すると良いでしょう。
私の経験では、入居したマンションの水圧が異常に低かったので管理会社に相談したところ、大家さんもすぐに動いてくれて水道屋が水圧の調査に来たりしました。
後日管理会社から連絡があり「屋上の貯水槽や配管の掃除も行ったのですが、建物自体がかなり古いためこれ以上水圧を上げることは難しいみたいです」と言われました。
大家さんから「できれば原状のままで我慢して欲しい」と言われたので了承したところ、お詫びに家賃を1,000円値下げしてもらったことがあります。
家賃の値下げ交渉が成功する人と失敗する人
更新時は家賃の値下げ交渉のチャンスとは言え、必ずしも交渉が成功するとは限りません。
値下げ交渉が成功する人と失敗する人の違いは何でしょうか。
それは、大家さんにとってこの先何年も住み続けて欲しい優良入居者か否かです。
- 家賃の支払いが遅れ気味
- 騒音等の苦情が出る
- ゴミ出し等のルールを守らない
- 近隣とトラブルを起こす
- 居住期間が短い
上記のような入居者はトラブルメーカーなので、大家さんも家賃を下げてまで住んで欲しいと思わないでしょう。
値下げ交渉が成功する人は下記のような入居者です。
- 居住年数が長い
- 家賃の支払いが滞ったことがない
- トラブルを起こさない
このような入居者は大家さんにとって優良入居者であり、この先もずっと住み続けて欲しいですから家賃交渉に応じてくれる可能性が高いです。
居住期間がポイントになるかと思いますが、やはり入居2年後の初めての更新でいきなり値下げ交渉をしても断られるのがオチでしょう。
家賃値下げ交渉のポイント
最後に家賃値下げ交渉のポイントをまとめて終わりにしたいと思います。
- 情報収集(家賃相場のチェック)
- 交渉材料(老朽化や他の部屋との家賃差など)
- タイミング(空室が多い時が吉)
- 意思表示(値下げに応じなければ退去するという姿勢)
情報収集
情報収集は先に述べたように、賃貸サイトなどで自分が住んでいる物件の現在の家賃を知ることです。
タイミング良く空き部屋が出て募集が掛かっていないと調べてもなかなか分からないと思いますので、小まめに賃貸サイトを見るなどリサーチ期間は長めに取っておくと良いでしょう。
また、同じ地域の同程度の物件の家賃を調べるとだいたいの家賃相場を把握することができます。
相場よりも高い家賃を払い続けているなら交渉の余地があります。
交渉材料
最も強い交渉材料は他の部屋との家賃の差です。
「〇号室が家賃〇万円で募集されていた」などを理由にすれば大家さんも断りにくいかと思います。
証拠として賃貸サイトのページを印刷するなどすれば動かぬ証拠になるでしょう。
また、老朽化、周辺環境の変化など、居住環境の悪化も大きな交渉材料になります。
タイミング
家賃の値下げを切り出すタイミングは更新手続に入る前が好ましいです。
更新の直前では契約書の変更が間に合わず、既存の契約のまま更新されてしまうかもしれません。
更新の半年~1年ぐらい前に「次回の更新の時に家賃を下げて欲しい」と管理会社に相談しましょう。
さらに空き部屋が多い時期に話を切り出すと効果大です。
空き部屋が増えると大家さんは「早く空き部屋を埋めなくては…」と焦り出します。
このタイミングで「家賃下げてくれないと退去しちゃうよ?」という姿勢を見せると、大家さんもこれ以上空き部屋を増やしたくないですから値下げに応じてくれる可能性が高くなります。
大家さんの弱みにつけこむみたいでちょっと気が引けますけどね…。
意思表示
明らかに不公平な家賃の差があるにも関わらず、家賃の値下げに応じない大家さんもいます。
「家賃を値下げしてくれないなら引っ越しも視野に入れています」という意思は見せるべきです。
大家さんが退去して欲しくないと思うなら値下げに応じてくれる可能性大です。
それでも家賃を下げてくれないなら、本当に引っ越してしまいましょう。
そんな融通の利かない大家さんに高い家賃を払い続けたくないですからね。
今はお祝い金がもらえる賃貸サイトがあるので、こういう時に是非役立ててくださいね。
当サイトが皆様の参考になれば幸いです。