賃貸の契約時に初期費用として「除菌・抗菌・消臭代」や「 害虫駆除費」なるものが請求される場合があります。
「敷金」「礼金」「火災保険」「前家賃」「鍵交換代」などは納得できますが、「除菌・抗菌・消臭代」や「 害虫駆除費」とは絶対に支払わなければいけないものなのでしょうか?
初期費用の明細を見て初めて疑問に思った方も多いと思います。
この記事では「除菌・抗菌・消臭代」や「 害虫駆除費」の必要性について考えたいと思います。
「除菌・抗菌・消臭代」とは?
「除菌・抗菌・消臭代」と言っても、不動産屋によって呼び方は様々です。
シンプルに「消臭代」とか「除菌消臭代」とか「抗菌消臭施工費」とか。
「除菌」「抗菌」「消臭」に「代」「料」「費」の組み合わせが違うだけで、やることは同じです。
この消臭代は一般的に10,000円~20,000円(税別)程度の費用が請求されます。
一体どのような作業をするのかと言うと。。。
こうやって除菌・消臭効果がある…?とされている消臭スプレーを室内で散布するだけです。
え?たったこれだけ!?
と思った方も多いはず。
そうです、たったこれだけです。
スプレーの原価は1,000円程ですが、借主には10,000円(税別)も請求されるのです。
契約時の初期費用で消臭代が含まれている場合、不動産屋によっては拒否できる場合もありますが、営利主義の不動産屋はこれを強制にして9,000円~の利益を得ようとします。
いわゆる抱き合わせ商法というやつです。
札幌の某不動産屋がこのスプレーを破棄しようと室内で120本も噴射し、大爆発を起こしてニュースになりましたね。
よくこれで死者が出なかったですよね。
社長が記者会見で弁明に追われていましたが、借主からお金だけ取って未施工(スプレーしてなかった)という事実も判明し、世間の批判を浴びましたね。
このスプレー1本でどれほどの効果があるのかも疑わしいですが、これで1万円はどう考えても高いですよね。
不動産屋も商売なのは分かりますが、原価1,000円で10,000円取るのは粗利が高いですし、ましてやお金だけ取って未施工なんてもってのほかです。
詐欺ですよそれは。
今でもこんな悪徳商法がまかり通っているんですね。。。
「害虫駆除費」とは?
「害虫駆除費」とは読んで字のごとく、ゴキブリやダニを駆除するための施工費です。
相場は10,000円~30,000円(税別)ぐらいです。
どんなことをするかというと、上記の消臭スプレーでお察しがつくかと思いますが、せいぜいバルサンを炊くぐらいです。
本格的にやる場合は専門業者に依頼するケースもありますが、その場合は30,000円程度取られます。
しかし業者に依頼しても10,000円程度なので、残りが不動産屋の利益となります。
また、この「害虫駆除費」を支払ったにも関わらず、入居してすぐに虫が出たという声も少なくありません。
賃貸の不正行為が横行してるが昔も鍵の取替料金、害虫駆除料金、ハウスクリーニング料金取る不動産屋いたが本当にやってたか怪しい 引っ越してすぐに虫が出たと奥さんが怒ってたこととかあるし
— NeNe高台院豊臣吉子 (@koudaiin) 2019年2月13日
エイブルで新築の賃貸借りるときに出された諸経費に、害虫駆除費が入ってて、何故なのか問いただしても「決まりなんで」と言って絶対に抜いてくれなかったな。凄い理不尽だと思ったけど借りたい物件だから仕方なかった。その他不動産業者に良い思い出はない。 https://t.co/g8HITehcZc
— 幹助 (@mikisuke0) 2019年2月5日
正直不動産屋が行う害虫駆除なんて気休め程度で大して効果がないと思いますし、自分でバルサン買ってきて炊いた方がよっぽど安上がりです。
拒否できるなら断りましょう。
ただ、不動産屋によっては拒否しても外してくれない場合もあります。
そういう不動産屋は営利主義で他にもあれやこれやと色々な名目で請求してくる可能性が高いので、あまり関わりたくないですね。
消臭代や害虫駆除費は誰が負担するべき?
そもそも私は契約時に消臭代や害虫駆除費を取るのはおかしいと思います。
入居前のメンテナンス費用は本来大家さんが負担すべき費用ですし、そもそもこれは不動産屋が利益目的でやっていることなので、施工しても大家さんには1円も入らないでしょう。
仲介専門の不動産業者はこういう抱き合わせ商法を多く使っているイメージがありますが、もしアナタが契約しようとしている物件で契約時の初期費用に消臭代や害虫駆除費が含まれていたら拒否することをおすすめします。
それだけで初期費用が3万円ぐらいは節約できます。
退去費用としての消臭代
不動産屋によっては契約時の初期費用の中に消臭代が含まれている場合と、お部屋を引き渡す時に退去費用として請求される場合があります。
初期費用の中に含まれているなら上記で説明したように、本来は大家さんが負担すべき費用だと思いますので断るべきです。
しかし、ペット可物件の場合は退去時に消臭代を請求されるケースが多いです。
基本的には契約書の中にも「退去時に消臭代を〇〇円頂きますよ」という文面が書かれていると思います。
私も現在ペット可物件に住んでいますが、退去時にはハウスクリーニング代と消臭代を支払うよう契約書に書いてあります。
ペット可物件の場合は「原状回復の一環でペットの匂いを消臭して部屋を明け渡さなければならない」と考えれば借主負担なのもやむを得ないと思います。
ペット可ではない物件で退去時に消臭代を取るのは…ケースバイケースかなと思います。
習慣的に室内でタバコを吸っていて、部屋全体がタバコ臭かったりすればそれは借主の責任ですので消臭代を請求されても仕方がないと言えます。
明らかに掃除を怠って部屋が臭い…という場合も借主の管理責任ですので、消臭代を請求される可能性はあると思います。
不要な初期費用は断ろう
賃貸契約時の初期費用には「敷金」「礼金」「仲介手数料」「火災保険」「前家賃」などの他、「鍵交換」「消臭代」「害虫駆除」「24時間対応サービス」「家賃保証」「文書作成費」など、アナタが不要だと言えば拒否できるはずの費用も多く含まれています。
その代表的なものが、この記事でご紹介した「消臭代」「害虫駆除費」になります。
しかし、これらの拒否できるはずの費用も不動産屋の利益を出すために必須にされているケースも珍しくありません。
もしアナタが契約しようとしている物件にこれらの不要な費用が含まれていたら、まずは不要だから外してもらうように交渉しましょう。
成功すればそれだけで初期費用が何万円も節約できます。
もし外してくれない不動産屋なら、私は「利益のことしか考えてない不動産屋だな…」と非常に印象が悪くなります。
入居後のトラブルや相談にもちゃんと対応してくれなさそうなので、できればこういう不動産屋の物件は借りたくないです。
引っ越しは何かと物入りですので、なるべく余計な費用は払わないように賢く引っ越ししてくださいね。
当サイトが皆様の参考になれば幸いです。