新しくお部屋を借りる際に家賃交渉をしたいと思っている方は多いと思います。
家賃だけでなく、条件面でも交渉したい場合ってあると思います。
私が以前アパートを借りる際に、家賃と条件面で2つの交渉を持ち掛け、見事2つとも交渉に成功した事例があります。
この記事では、その時に私が実際に交渉した実例を基に、交渉成功のポイントをご紹介したいと思います。
物件概要
我が家には猫がいますので、今住んでいる賃貸アパートはペット可物件です。
賃貸サイトには「敷金なし・礼金なし」で掲載されており、備考欄に「ペット飼育の場合、敷金プラス1ヶ月、賃料プラス2,000円」と記載されていました。
敷金礼金なしの物件の割には設備や条件もよく、家賃も相場より少し安いぐらいだったので、問題なければ申し込みするつもりで内見に行きました。
管理会社は物件から少し遠かったので、内見は物件近くの仲介会社(フランチャイズ系の大手)にお願いしました。
引っ越す前もペット可物件だったのですが、ほぼ同じ家賃で間取りが1部屋増えるというのが最大の魅力でした。
前の物件から直線距離で2.6kmしか離れていませんので生活圏内も変わらないですし、引っ越しも自分でやれば引越し費用を削減できます。
ペット飼育の場合、敷金プラス1ヶ月は普通なのですが、賃料プラス2,000円が少しネックでした。
部屋が1部屋増えるので家賃が上がって当然なのですが、家賃は毎月払い続けるものですからできれば家賃負担は上げたくないですよね。
このプラス2,000円が無ければ完全に前の物件と同じ家賃なんだけどなぁ…。
交渉1 ペット可なのに猫はダメ!?
実際の物件を内見すると思ってた以上に良い物件で、即申し込みする気でいました。
ところが、内見を終わらせ申し込みをしようとした直後、不動産屋から衝撃的なことを言われました。
ペット可でも猫はダメってところは意外と多いんです。
賃貸サイトでもペット可だけど小型犬のみに限定している物件を時々見かけますが、この物件は特にそのような記載がなかったので内見に来たのですが、今になって猫はダメなんて…。
どうして!?
もしや…。
やっぱりね。
ここで私の中で2つの考えが浮かびました。
①大家さんはあまり犬や猫のことを知らないのでは?
イメージで全ての猫が壁や柱で爪を研ぐと思っているのではないか。
この場合は、しつけがきちんとできていることをアピールすれば許可が出る可能性は高いと思います。
②退去した住人が飼っていた猫に壁紙や柱をかなり傷つけられた経験がある。
この場合は修繕費が嵩んだ経験があるので、しつけができているとアピールしても断られる可能性が高いかもしれません。
その場合は諦めるしかなさそうですね…。
回答はすぐ来ました。
はい、想定内の回答です。
ならば、用意しておいた交渉カードを切ります。
今もペット可の賃貸物件に住んでますが、壁や柱で爪を研いだりしたことはありません。
家の中に爪研ぎを置いてますから、そこでしか爪は研がないです。
鳴き声に関してももう少ししたら避妊手術を受けさせる予定なので、発情期に大きな声で鳴いて近隣に迷惑をかけることはないと思います。
むしろ犬の方がトイレの躾は難しいですし、小型犬はよく吠えますし、犬は爪が出っぱなしなので床が傷つきますよ?
多分大家さんは犬や猫の生態をあまりご存知じゃないんじゃないですかね?
猫の悪いイメージだけで禁止されているのだと思うので、一度こういう猫でも本当にダメなのか聞いてみて頂けませんか?
すると、あっさり猫OK!
詳しく確認したところ、家賃の上乗せも大家さんが修繕費が嵩むことを懸念してのことだということも分かりました。
交渉2 賃料+2,000円を無しにしてもらう
そこで私が提示した2枚目の交渉カードは「敷金を2ヶ月分預けるので、賃料プラス2,000円を無しにして欲しい」という交渉です。
単純に賃料+2,000円を無しにして欲しいと言っても、私が得するだけで大家さんに何のメリットもありません。
これだと断られるのが目に見えています。
こちらも譲歩する姿勢を見せるために「賃料+2,000円を無しにしてもらう代わりに敷金をもう1ヶ月分預ける」という交換条件を提示したのです。
敷金を2ヶ月も預けると初期費用が高くつくように見えますが、これには「数字のカラクリ」を利用しています。
不動産会社が物件の募集などで使う手口とよく似ています。
どっちが得か、家賃58,000円と仮定して契約期間の2年で試算してみましょう。
【敷金1ヶ月 家賃+2,000円】
敷金:60,000円
家賃2年分:60,000円×24ヶ月=1,440,000円
合計:1,500,000円
【敷金2ヶ月 家賃上乗せなし】
敷金:58,000円×2ヶ月=116,000円
家賃2年分:58,000円×24ヶ月=1,392,000円
合計:1,508,000円
契約期間の2年トータルで考えた場合、差額はたったの8,000円です。
この段階ではまだこちらの方が8,000円多く支払っていることになりますが、2年4ヶ月でプラマイゼロなり、それ以降住み続ければ黒字に転向します。
そもそも賃料+2,000円は払い損ですが、敷金は退去時に返ってきますので、同じ金額を支払うにしても全く違います。
「賃料=支払い」「敷金=預ける」なので、ほぼ同額を支払ったように見えても、敷金は預けただけで支払ってはいないのです。
賃料を敷金に置き換えたのは、ほぼ同額を支払ったように見せかけるためです。
それに、長く住めば長く住むほど大家さんが損することになると思ったら、それはちょっと違います。
元々の家賃は58,000円なのです。
大家さんは家賃の上乗せ分を値引きしただけで、家賃そのものを下げてはいないのです。
なので、大家さん的にも大きなデメリットはありません。
ペットを飼わなければ敷金なしの物件なのに、敷金を2ヶ月分も預けてくれているという安心感すらありませんか?
この交渉内容で渋られたら、「敷金1ヶ月、礼金1ヶ月、家賃上乗せなし」でもいいと思っていましたが、上記の内容ですんなりOKが出ました。
交渉成功です!
家賃交渉のポイント
全ての物件でこの事例のように家賃交渉が成功するとは限りません。
不動産屋の伝え方や、大家さんが聞く耳を持ってくれる人なのか等、自分ではどうしようもない要因が大きく影響するからです。
私の今回の家賃交渉が成功したのも、不動産屋が上手に伝えてくれたのだと思いますし、大家さんも融通が利く優しい方だったのだと思います。
家賃交渉を上手に成功させるポイントとしては
- 物件を知ること
- 大家さんの意向を考えてみること
- こちらも譲歩する姿勢を見せること
が成功の秘訣かなと思います。
一方的な要求を押し付けるのではなく、お互いに譲歩するような交渉を持ちかけると成功しやすいと思います。
皆様の家賃交渉の参考になれば幸いです。
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