賃貸住宅を探す際、「そういえばUR賃貸ってどうなの?」と考えたことがある人は多いはず。
UR賃貸と言えば、大規模な団地で家賃が安いというイメージがあります。
都心でも大きな団地群があって、調べてみるとURだったりしますね。
面積も40平米以上の部屋が多く、敷地内には公園や駐車場、商店街がある団地もあり、ファミリーには住みやすい環境と言えるでしょう。
この記事ではUR賃貸の入居条件や入居審査、UR賃貸のメリットとデメリットについて詳しくご紹介したいと思います。
UR賃貸とは
UR賃貸住宅とは、都市再生機構(UR都市機構)が管理している公的な賃貸住宅です。
「URであーる♪」というテレビCMでもお馴染みですね。
全国に約74万戸もあり、かつての「公団住宅」の他、現在はタワーマンション型やリノベーション済みの物件、ペット共生住宅など様々なタイプがあります。
UR賃貸のメリット
一般の賃貸住宅に比べ、UR賃貸にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
UR賃貸のメリット
- 礼金なし
- 仲介手数料なし
- 更新料なし
- 保証人・保証料不要
- 抽選なし先着順
- 周辺の住環境が良い
- 原状回復負担区分が明確
- 耐震基準クリア
- Pontaポイントが貯まる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
礼金なし
入居時に必要な費用は、家賃2ヶ月分の敷金と入居月の日割り家賃、共益費のみです。
退去時に戻ってこない礼金はありません。
一般的な賃貸住宅で礼金がある場合は家賃の1~2ヶ月分ですので、礼金がないというのは大きなメリットですね。
仲介手数料なし
仲介手数料は、入居希望者(アナタ)と物件所有者(大家さん)との間に仲介業者を挟む場合にのみ発生します。
例えば、一般の賃貸住宅のように「アナタ → A不動産 → 大家さん」という関係だとA不動産が大家さんにアナタを仲介することになるので、この場合A不動産に対して仲介手数料が発生します。
しかし大家さん自身が不動産屋を経営しているなどで、直接大家さんに申し込んでその物件に入居するケースがあります。
その場合「アナタ → 大家さん」という関係になり、間に仲介業者を挟まないので仲介手数料は発生しません。
つまり自社物件の場合は仲介手数料は発生しないのです。
これと同じ仕組みなのがUR賃貸です。
UR賃貸は、UR営業センター、UR賃貸ショップ、現地案内所等、URの各店舗で受付を行っており、仲介業者を挟まないので仲介手数料が発生しません。
仲介手数料は最大で「家賃の1ヶ月分+消費税」の費用がかかるので、仲介手数料なしはかなり初期費用が抑えられますね。
更新料なし
一般の賃貸住宅は基本的に契約期間が2年間なので、2年毎の更新手続きが必要です。
その際、更新料や事務手数料などがかかります。
UR賃貸は自動更新なので面倒な手続きも更新料も必要ありません。
長く住めば住むほどお得になるので長期契約に向いていると言えます。
※一部定期借家契約の物件があります。
保証人・保証料不要
一般の賃貸住宅だと契約時に連帯保証人を立てるか、保証会社に加入して保証料を支払うのが一般的です。
UR賃貸は保証人も保証会社への加入も不要です。
※何かあった際の緊急連絡先は必要です。
入居審査は一定の収入があるかどうかを審査されるだけです。
一般の賃貸住宅でなかなか入居審査に通らない人でも、UR賃貸ならお部屋が借りられる可能性が大です。
抽選なし先着順
一部の物件を除き、UR賃貸のほとんどの物件は先着順です。
抽選がないので空いていれば申し込んで即入居できます。
※新築住宅、高齢者向け優良賃貸住宅等一部は抽選となります。
住環境が良い
UR賃貸は部屋の占有面積が40平米以上の広い部屋が多いです。
物件によっては敷地内に公園や駐車場があり、周辺には学校・病院・スーパーなど生活に必要な施設が揃っている物件も多くあります。
特にファミリーには住みやすい環境と言えるので、立地や条件の良い物件はなかなか空きが出ないです。
原状回復負担区分が明確
一般の賃貸住宅では退去時に原状回復費用の負担について管理会社や大家さんと揉めることがあります。
私も以前、管理会社と敷金返還についてバトルしたことがあります。
UR賃貸では、入居時に原状回復費用の負担区分が明確に提示されます。
借主負担 | UR負担 | |
---|---|---|
畳 | ・タバコによる焦げ跡 ・重量物による著しい変形 ・家具を引きずった擦り傷 |
・自然損耗による擦り切れ ・日焼けによる変色 |
壁 | ・不注意による傷や破れ ・落書き ・タバコのヤニ汚れや臭い |
・テレビや冷蔵庫などの電気焼け ・ポスター跡などの日焼け |
玄関扉 | ・郵便受箱の凹み ・鍵の紛失 |
・本体や金物のサビ ・丁番の緩み |
上記は一例ですが、このように借主の負担とURの負担が明確にされているので退去時のトラブルが少ないと言えます。
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耐震基準クリア
URの賃貸住宅はほとんどが鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造なのでとても丈夫な建物です。
しかし築が古い物件も多いのが現状です。
そこで気になるのが耐震性ですよね。
UR賃貸は旧耐震基準で建設されたUR賃貸住宅の耐震診断を行い、必要な耐震改修等を行っています。
実際、阪神淡路大震災や東日本大震災でも大きな被害を受けていないそうです。
Pontaポイントが貯まる
毎月の家賃の支払いで「Pontaポイント」を貯めることができます。
家賃は毎月支払いますし、普段の買い物に比べて支払額が大きいので、これでポイントが貯められるのはお得ですね。
私もPontaポイント貯めてるので羨ましいです。
UR賃貸のデメリット
一般の賃貸住宅に比べてメリットが多く感じられるUR賃貸ですが、逆にデメリットはないのでしょうか?
UR賃貸のデメリット
- 意外と家賃が安くない
- 築年数が古い
- 駅から遠い
- 鳥の被害が多い
- 収入による入居審査がある
- 住人同士のトラブル
意外と家賃が安くない
UR賃貸は一般の賃貸住宅に比べて家賃が安いというイメージを持っている方は多いと思います。
でも実際UR賃貸の物件を探してみると、意外と安くはないな…という印象を受けるかもしれません。
これは立地や物件にもよりますし、受け取り方の問題かも知れません。
個人的に東京23区内のURは立地が良い分家賃もそれなりに高い印象があります。
逆に郊外だと相場より大分安く感じます。
ただ、2DKや3DKなどの間取りだけで見ると一般の賃貸物件でもっと安い物件があるじゃん!と思います。
しかし、同じ2DKや3DKの間取りでもUR賃貸は専有面積が広いのです。
URは2年毎の更新料もないですから、それらを加味すると総合的に一般の賃貸物件より少し安い価格帯だと思います。
築年数が古い
UR賃貸はかつての「公団住宅」で、当時の建物をそのまま使っている物件もまだまだ多いです。
築年数が40年以上経過している物件もあり、和室中心でキッチン・洗面台・お風呂などの水回りの設備も古く、エアコンや網戸がない物件もあります。
中には築年数は古くても内装はリノベーションされて綺麗な物件もあります。
駅から遠い
都心のURはだいたいどこも駅近ですが、郊外は駅から少し離れたところに物件がある場合が多いです。
駅までは徒歩では遠く、自転車やバスを使うような立地が多い傾向にあります。
鳥の被害が多い
URに限った話ではありませんが、公園などの緑がある団地は特に鳥が集まりやすいです。
こういう場所はベランダに鳥が来てフンをしたり、鳥の鳴き声に悩まされる被害が多いです。
内見時に自分の部屋のベランダだけでなく、他の部屋のベランダに鳥除けの網が設置されていないかなども確認した方が良いでしょう。
収入による入居審査がある
UR賃貸の入居条件には、収入額または貯蓄額による入居審査があります。
基準はUR側で明確に定められており、開示もされているのでクリアしやすいと思います。
万が一収入面や貯蓄額の基準を満たせなくても、親族と合算出来るなど救済処置があるので入居審査はかなり甘いと言えるでしょう。
一般の賃貸住宅のように、思い当たる理由がないのに入居審査で落とされるなんてことはありません。
URの審査基準については後ほど詳しく説明します。
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住人同士のトラブル
これもURに限った話ではありませんが、集合住宅は住人同士のトラブルが多いです。
特に多いのは騒音トラブルです。
上下階の騒音は響きやすいので、普通に生活しているだけなのに下の階から何度も苦情を言われるとか、上の階の騒音がひどいとか日常茶飯事でしょう。
URの管理事務所に相談しても住人同士のトラブルにはあまり積極的には動いてくれないようです。
共用部分に張り紙をするとか、注意喚起のビラを全世帯に投函するとか、せいぜいその程度の対応です。
管理事務所の対応は担当者によるところも大きいですが、改善されなければ何度も訴えるべきですし、ご近所とのトラブルが原因で健康を損なうくらい深刻なら引っ越しも視野に入れるべきです。
私もURではないですが、以前住んでいた賃貸アパートで騒音トラブルに巻き込まれたことがあります。
結局私が引っ越しましたが、非常識な人間は誰が何を言っても治らないのでさっさと引越して関わらないようにした方がいいです。
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UR賃貸の入居審査(収入要件)
上記でも少し触れましたが、UR賃貸は収入額または貯蓄額による入居審査があります。
URの規定は下記の通りです。
5.申込本人の毎月の平均収入額が基準月収額(家賃の4倍または33万円。ただし家賃の額が20万円を超える住宅に付いては40万円)以上である方、または貯蓄額が基準貯蓄額以上ある方
分かりやすく解説します。
平均収入額による審査基準
UR賃貸は「平均月収額」が「基準月収額」を上回っている必要があります。
平均月収額 > 基準月収額
平均月収額とは過去1年間の収入合計額の1/12の額で、課税対象になっているものを指します。
簡単に言うとお給料とか年金とかで、年末に源泉徴収票が発行されますよね。
源泉徴収票には1年間の総収入が記載されていますので、それを12ヶ月で割って算出した月収ってことですね。
基準月収額は「家賃の4倍」または「33万円」ですので、家賃20万円以下の物件なら
① 平均月収 > 家賃×4
② 平均月収 > 33万円
このどちらかをクリアすればOKということになります。
単身者の場合は
平均月収 > 25万円
これをクリアすればOKです。
家賃が20万円以上の物件の場合は、どちらも40万円以上の月収が必要ということになります。
貯蓄額による審査基準
現在安定した収入の無い方の場合は、貯蓄額の要件をクリアしていれば入居することが可能です。
貯蓄額の要件は
① 家賃の100倍
② (月収が基準月収額の1/2以上ある場合)家賃の50倍
家賃5万円の物件の場合500万円…。
そう考えると貯蓄額の要件は結構厳しいですね。
分かりやすく表にまとめるとこんな感じです。
家賃20万円を超えない物件 | 家賃20万円を超える物件 | |
---|---|---|
基準月収額 | 家賃の4倍 or 33万円 |
40万円 |
基準貯蓄額 | 家賃の100倍 | |
月収が基準月収額の1/2以上ある方の基準貯蓄額 | 家賃の50倍 |
もしこの基準に届かなくても救済処置はありますので、諦めるのはまだ早いです。
救済処置
一般の賃貸物件だとこれだけ明確に定められた基準が満たせないと即審査落ちですが、UR賃貸は収入が基準月収額に満たない場合でも救済処置があります。
①本人の平均収入額が基準月収額の1/2以上あれば、同居親族の収入と合算して基準月収額をクリアすればOK
②本人の平均収入額が基準月収額の1/2以上あれば、勤務先の家賃補助や親族からの補助を合算して基準月収額をクリアすればOK
③高齢者、障がい者、シングルマザー、シングルファーザー、学生は、本人の収入が基準月収額の1/2に満たなくてもOK
※③は「所得の特例」が適用されるケースですが、所得の特例には一定の要件があります。
詳しくは「UR都市機構 住まいのご案内 お申込みの手引き|お申込み資格について(先着順)」をご確認ください。
このようにUR賃貸の入居審査は一定の経済力さえあればクリアできます。
救済処置もあるので、一般の賃貸住宅に比べるとUR賃貸の入居審査はかなり甘いと言えるでしょう。
お得な割引制度・キャンペーン
UR賃貸には条件に当てはまれば家賃が割引されるお得な制度があります。
- 近居割
- U35割
- そのママ割
- 子育て割
- URライト
- LOVE割
- フリーレント
近居割
高齢者世帯(親)子育て世帯(子)のどちらかがUR賃貸住宅に住み、2km以内に近居した場合、家賃が5年間5%減額されます。
高齢者世帯(親)とは、満60歳以上の方を含む世帯を指します。
子育て世帯(子)とは、満18歳未満の子を扶養している世帯(妊娠中も可)を指します。
具体的には下記の3パターンが対象になります。
- 親・子世帯が同じUR賃貸住宅(住居は別)に住んだ場合
- 親・子世帯が半径2km以内にある異なるUR賃貸住宅に住んだ場合
- 親・子世帯のどちらかがUR賃貸住宅に住み、近居した場合
3.は親世帯が持ち家で、子世帯が親の近くのUR賃貸住宅に入居した場合などに該当し、「近居割WIDE」という名称になります。
小さなお子さんがいるご家庭ですと、親世帯にお子さんを預けて面倒を見てもらったり、両親と同居は難しいけど近くに住んで見守りたいなど、近居するメリットは非常に大きいと思います。
U35割
契約名義人の年齢が35歳以下(学生可)であれば申し込みできます。
3年の定期借家契約となります。
定期借家契約とは更新のない契約のことで、定められた契約期間(3年)が経過したら退去する必要があります。
最初から3年しか住めないと決まっていますが、その間は家賃が安く設定されているようです。
同居できるのは、配偶者(年齢不問)か35歳以下の親族に限定されます。
そのママ割
満18歳未満の子を扶養している世帯であれば申し込みできます。
3年の定期借家契約となりますが、3年間は家賃が割引されお得になります。
妊娠中や孫・甥・姪等の親族を扶養している場合でも対象になります。
子育て割
新婚から子育て世代を対象に、最大で9年間も家賃が20%(上限25,000円)減額される割引制度です。
【対象条件】
・新婚世帯 or 子育て世帯
・世帯の合計所得が25.9万円/月以下
新婚世帯とは、配偶者を得て5年以内の世帯を指します。
子育て世帯とは、同居する満18歳未満の子を扶養している世帯を指します。
※妊娠中や孫・甥・姪等の親族を扶養している場合でも対象になります。
新婚世帯で最大3年、子育て世帯で最大6年、合計で最大9年間(最大270万円)も割引を受けられます。
URライト
単純に3年間の定期借家契約を「URライト」と呼んでいるようです。
定期借家契約とは更新のない契約のことで、定められた契約期間(3年)が経過したら退去する必要があります。
最初から3年しか住めないと決まっていますが、その間は家賃が安く設定されているようです。
単身赴任や就学などで滞在期間が決まっている場合などに向いてますね。
申し込み資格などはなく、誰でも申し込めます。
LOVE割
こちらも3年の定期借家契約となります。
契約期間中は家賃が安く設定されているようです。
- 入籍予定及び入籍後1年以内のカップル
- 契約名義人が35歳以下(単身・学生可)
同居できるのは、配偶者又は35歳以下の親族に限ります。
なお、配偶者は年齢不問です。
フリーレント
フリーレント対象物件に入居すれば、入居後1ヶ月~2ヶ月目までの家賃が無料になります。
UR賃貸は様々な割引制度があるので、この割引制度が適用できる世帯だと長い目で見れば一般の賃貸住宅に住むよりも何百万円もお得になります。
ただこれらの割引制度が利用できる物件は少ないので、住みたいエリアで見付けたらすぐに申し込みすることをおすすめします。
UR賃貸は抽選なしの先着順なので早いもの勝ちですよ!
URからURへの住み替えはお得
UR賃貸は礼金・仲介手数料・更新料・保証人が不要なので初期費用の負担が軽い上、低家賃で広い部屋に住めて住環境も良ければ「次もURに住みたい」となるのは頷けます。
実際リピーターは多く、UR賃貸のリピート率はなんと80%もあると言われています。
URからURへの住み替える場合には優遇措置もあります。
現在の物件を退去する際は、敷金から原状回復費用を差し引いた残りの金額が返金されますが、次もURに住み替える場合にはこの金額を新物件の敷金として引き継ぐことができます。
また、新物件の家賃が現在の家賃より安い、または同額の場合、源泉徴収票などの収入確認書類の提出を省略することができます。
退去届(契約解除届)は2週間前まででOKなので、急な引っ越しの場合でも無駄な出費を抑えることができます。
URが気に入って色々なURの物件を渡り歩く人もいれば、同じ団地内で住み替えをする方も多く、それがUR賃貸のリピート率につながっているようです。
立地や条件の良いURの物件は非常に人気があり、満室の物件がかなり多いのも納得ですね。
入居審査の甘い賃貸住宅「ビレッジハウス」
UR賃貸の審査(収入要件)もちょっと厳しいという方に朗報です!
「ビレッジハウス」は職業・年齢・国籍不問で、敷金・礼金・仲介手数料・更新料・保証人不要という、今までの賃貸の常識を覆す賃貸事業を展開しています。
今まで入居審査に通りにくかったシングルマザー・生活保護受給者・外国人・高齢者・自営業・派遣・アルバイトなどの方でも部屋を借りることができ、2K以上の広さの部屋が家賃2万円台から借りられます。
ビレッジハウスの詳細については下記の記事にまとめましたので、是非参考にしてください。
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