電気は今まで、東京エリアなら東京電力、関西なら関西電力といったように、地域の決まった電力会社としか契約できませんでした。
2016年4月に「電力自由化」が始まり、現在では誰でも自由に電力会社を選べるようになりました。
また、賃貸住宅にお住まいの場合であっても電力会社は部屋ごとに個別で契約することが可能です。
ただし、大型マンションなどで「高圧一括受電方式」という電気の供給方法の場合は個別で電力会社を変えることはできません。
私は今回の引っ越しに伴い、電力会社を東京電力から「niftyでんき」に切り替えました。
電気の切り替えって光回線みたいにもっと面倒だと思っていたのですが、あまりにも簡単すぎて驚きました。
この記事では申し込みから供給開始までの流れをご紹介したいと思います。
まずはシミュレーション
電力会社を切り替えるにあたって大切なのは、しっかりシミュレーションをして、どこの会社に切り替えるとどのくらい安くなるのかを把握することです。
電気のシミュレーションは各電力会社のホームページでも可能ですが、どんな電力会社があるのかもよく分からないという方がほどんどだと思います。
電力会社の比較は「電力比較サイト エネチェンジ」というサイトを使うと大変便利です。
また、エネチェンジを経由して申し込みをするとキャッシュバックや商品券がもらえる事業者もあるのでおすすめです。
それでは実際に申し込みをしてみたいと思います。
まずは郵便番号と世帯人数を入力します。
シミュレーションの方法は「しっかり見直し」と「カンタン見直し」の2種類がありますが、より正確な結果を出すためにも「しっかり見直し」から進むと良いでしょう。
次に「在宅状況」や「アンペア数」、「電気の使用量」を入力します。
「電気の使用量」は直近1ヶ月の使用量からも算出できますが、12ヶ月分の使用量が全て分かる方は「くわしく使用量を入力」から入力することでより正確な結果が出ます。
入力が終わったら「結果へ進む」のボタンをクリックします。
私の場合「niftyでんき」が一番節約になるという結果が出ました。
しかし、一番上に表示されたからといって、アナタにとって一番安い電力会社とは限りません。
画面中央の「料金詳細」のボタンをクリックすると内訳が表示されますので、必ず確認しましょう。
私の場合15,847円も節約になるという結果が出ていますが、よく見ると「1年目の料金」と記載されています。
「niftyでんき」は「エネチェンジ」から申し込むと9,000円のキャッシュバックがあるのですが、この金額はキャッシュバックの9,000円を金額を含んだ金額なので注意が必要です。
【2018年12月追記】
現在はエネチェンジ経由のキャッシュバックがなくなっていました。
商品券がもらえる場合も同様に商品券の金額を含んでいますので、純粋に安くなる電気代を算出するにはその分を差し引いて考える必要があります。
キャッシュバックの9,000円を差し引くと、電気代は年間6,847円前後安くなるという結果です。
2位以降の電力会社も同じように確認して、実質的な電気代が最も安くなる電力会社を選ぶのも良いでしょう。
私の場合も電気料金だけで比較すると他にもっと安くなる電力事業者はありましたが、家のインターネットのプロバイダが「@nifty」ですので「niftyでんき」にするとネットと電気のセット割で、ネット料金が年間3,000円安くなるというのが決め手となり「niftyでんき」に決めました。
さらにキャッシュバックや商品券進呈の適用条件も確認しましょう。
特に「適用条件」と「受け取り方法」はしっかりと確認して、もらい損ねがないように注意しましょう。
また画面下には解約時の「契約解除料」の有無が記載されています。
niftyでんきの場合は解約時の違約金はありませんが、他の電力事業者だと契約期間や違約金がある場合がありますので、ここもしっかり確認してくださいね。
それでは申し込みに進みたいと思います。
※申し込みの際に「お客様番号」と「地点番号」が必要になりますので、検針票などを手元にご用意ください。
2017/10/31 「niftyでんき」に申し込み
それでは実際に「@niftyでんき」に申し込みたいと思います。
※申し込みの際に「お客様番号」と「地点番号」が必要になりますので、検針票などを手元にご用意ください。
実際の日付も見出しに記載しておきますので、申し込んでから供給開始までの目安にして頂ければと思います。
ここにも特典のキャッシュバックや商品券の受け取り方法が記載されていますので確認しておきましょう。
電気供給開始月の4ヶ月後にメールが来て、9ヶ月後に振り込まれると記載されています。
結構受け取りまでに時間がかかりますね。。。
niftyでんきに申し込むためには「@nifty ID」が必要になります。
私は既に@niftyIDを持っていますので「対象の@nifty接続サービスをご利用中のお客様」から進みます。
「niftyでんき」の電気の供給元は「イーレックス・スパーク・マーケティング株式会社」ということが記載されています。
「上記の電気供給約款、重要事項説明、すべてを理解して同意します。」のチェックボックスにチェックを入れ、「同意して次へ進む」をクリックします。
ここで「お客様番号」と「地点番号」が必要になります。
電気の検針票(電気ご使用量のお知らせ)に記載されていますので、その番号を入力します。
引っ越し先などで地点番号が分からない場合は、地域の電力会社(東電とか関電)に問い合わせると教えてくれるようです。
次に契約者の氏名を入力します。
次に住所等の入力です。
住所のカナは全て全角での入力になりますので、番地の入力が半角にならないように気を付けてください。
住所の入力が終わったら画面一番下の「次へ進む」ボタンをクリックします。
申し込みの内容が表示されますので、誤りがないか確認しましょう。
契約内容の選択画面が表示されます。
「今の住所で他社からニフティへ切り替える」または「引っ越し先で新たに契約する」を選択します。
電気の単価や適用できるキャンペーンを確認したら「次へ進む」をクリックします。
最後に今までの入力内容の確認画面が出てきますので、誤りがないかしっかり確認しましょう。
誤りがなければ「上記内容で@niftyでんきを申し込む」をクリックします。
申し込みが完了すると「受付番号」が発行されます。
問い合わせの際に必要になりますので、スクリーンショットやメモなどで保存しておいてください。
申し込みが完了すると登録したメールアドレス宛に「@niftyでんき 申込受付のご案内」というメールが届きます。
これで申し込みは完了です。
電気供給開始日の連絡等は後日来ますので、あとは何もせず待つだけで切り替えは完了します。
たったこれだけの作業で電気代が安くなって、キャッシュバックももらえて、ネット料金も安くなるんですから切り替えない手はないですね!
2017/11/2 メールで供給開始日の連絡
申し込みから2日後に供給開始日の連絡がメールで届きました。
供給開始日は申し込んでから一定の期間(WEB申込 最短12暦日、電話申込 最短15暦日)を経た最初に到来する検針日となります。
申し込みのタイミングによっては申込日の数日後に検針日が来てしまい、次の検針日まで1ヶ月以上待たなければいけなくなる場合もあります。
また、年末年始や大型連休などがあると供給開始時期が遅れる場合もあります。
2017/11/3 封書で契約内容の確認が届く
翌日、封書で「契約内容の確認」が届きました。
申し込んだ内容が正しく反映されているか確認しましょう。
尚、電気とネットのセット割は、niftyの利用状況に応じて自動的にやってくれるようです。
2017/11/07 契約締結のお知らせ(ハガキ)が届く
後日、「契約締結のお知らせ」がハガキで届きました。
これで正式にniftyと電気の契約をしたということになります。
2017/11/17 電気の供給開始
供給開始日を迎えましたので、この日から我が家の電気はniftyでんきに切り替わったことになります。
しかし、体感では何も分かりません。
niftyから電話がかかってくることもありませんでしたし、うちは元々スマートメーターがついていたので工事もありませんでした。
東京電力に解約の手続きなども必要ないので、本当に申し込んだだけで勝手に電気の供給元が切り替わったという感じです。
今後は電気代をniftyが請求してくるというだけですね。
@niftyの会員ページにログインしたところ、ちゃんとniftyでんきが「契約中」になっていたので一安心です。
初めての請求が出ました
niftyでんきに切り替えて初めての請求が出ましたのでレポートしたいと思います。
レポートは会員ページの「請求情報一覧」からログインすることで確認できます。
2017年12月分(2017年11月17日~2017年12月16日)の電気使用量は376kWhでした。
請求金額は9,478円でした。
エアコンを丸々1ヶ月24時間稼働させていたので1万円は超えてくると思っていましたが、意外にも安かったです。
ところで、「割引金額の570円」って何でしょう?
明細を確認して判明しました。
上記の表に記載されている単価は地域電力(私の場合は東京電力)の単価で、一旦はこの単価で計算されるようです。
その場合、請求金額は10,048円となります。
ここからさらにniftyでんきの単価で計算し直すと、差額が570円になりました。
項目 | 電気使用量 | niftyでんき ()は東京電力 |
差額 | |
---|---|---|---|---|
単価 | 金額 | |||
基本料金 | 28日 | 842.40円 (842.40円) |
786.23円 (786.23円) |
0円 |
電力量1段料金 | 112kWh | 19.52円 (19.52円) |
2,186.24円 (2,186.24円) |
0円 |
電力量2段料金 | 168kWh | 24.95円 (26.00円) |
4,191.60円 (4,368.00円) |
-176.40円 |
電力量3段料金 | 96kWh | 25.92円 (30.02円) |
2,488.32円 (2,881.92円) |
-393.60円 |
燃料費調整額 | 376kWh | -3.10円 (-3.10円) |
-1,165.60円 (-1,165.60円) |
0円 |
電気料金合計 | 8,486円 (9,056円) |
-570円 | ||
再エネ賦課金 | 376kWh | 2.64円 (2.64円) |
992円 (992円) |
0円 |
再エネ賦課金合計 | 992円 (992円) |
0円 | ||
合計(請求額) | 9,478円 (10,048円) |
-570円 |
つまり、割引金額とは純粋にniftyでんきに切り替えて安くなった金額ということです。
電気使用量の多い時期とはいえ、1ヶ月で570円安くなったのはバカにできないですね。
うちよりももっと電力使用量の多い世帯はさらに割引額が大きくなりますから、毎月1万円を超えるようなご家庭は早く切り替えることをおすすめします。
【2019年2月追記】
@niftyでんきに切り替えてからの我が家の請求情報を公開します。
対象月 | 使用量 | 合計金額 (税込) |
割引金額 | 請求金額 (税込) |
---|---|---|---|---|
2019年1月 | 469kWh | 13,950円 | 848円 |
13,102円 |
2018年12月 | 301kWh | 8,477円 | 194円 |
8,283円 |
2018年11月 | 188kWh | 5,285円 | 68円 | 5,217円 |
2018年10月 | 203kWh | 5,648円 | 88円 | 5,560円 |
2018年09月 | 299kWh | 8,196円 | 184円 | 8,012円 |
2018年08月 | 375kWh | 10,430円 | 462円 |
9,968円 |
2018年07月 | 289kWh | 7,809円 | 178円 | 7,631円 |
2018年06月 | 207kWh | 5,605円 | 88円 | 5,517円 |
2018年05月 | 209kWh | 5,624円 | 94円 | 5,530円 |
2018年04月 | 246kWh | 9,106円 | 129円 | 6,355円 |
2018年03月 | 341kWh | 9,106円 | 427円 | 8,679円 |
2018年02月 | 584kWh | 16,123円 | 1,319円 | 14,804円 |
2018年01月 | 528kWh | 14,427円 | 1,090円 | 13,337円 |
2017年12月 | 376kWh | 10,048円 | 570円 | 9,478円 |
電気使用量の少ない月は微々たるものですが、使用量の多い月は1,000円以上も安くなっています!
niftyでんきなら電気使用力が少なくても地域電力より高くなることはないので、損をすることは絶対にありません。
2018/7/17 キャッシュバックが振り込まれた
エネチェンジからniftyでんきを申し込むと9,000円のキャッシュバックがもらえる特典がありましたが、ついに振り込まれました!
申し込みから9ヶ月後なので長かったですが、忘れた頃に振り込まれるから臨時収入みたいで嬉しいですね。
niftyでんきに切り替えて毎月の電気料金が安くなって、9,000円のキャッシュバックがもらえて、ネット料金も安くなって、メリットしかありません。
とはいえ、デメリットとまでは言いませんが不満に思う部分も少なからずありますので、その部分も下記でご紹介します。
電気の「見える化」に対応していない
新電力に切り替えるにあたって電気のメーターをスマートメーターに変更しますが、このスマートメーターは電気の使用量を30分毎に電力会社に送信しています。
この機能のお陰で電力会社に使用量のデータが蓄積され、検針が不要になります。
さらにこの電気使用量のデータはパソコンやスマホなどで確認することができます。
これを「電気の見える化」といいますが、日別や時間別に電気使用量がグラフで表示されるので、どれぐらい電気を使っているか、エアコンを使った日はどれぐらい電気を使用するのか等、細かく把握することができます。
今まではエアコンをよく使う真夏や真冬になると電気代の請求にビクビクし、翌月請求書が送られてきてギョッ!としていましたが、リアルタイムで電力使用量が確認できるようになれば電気代を自分でコントロールできるようになるので、この「電気の見える化」には非常に期待していました。
しかし、niftyでんきは電気の見える化に対応していませんでした…。
電気の切り替えで「見える化」が使えるようになるのが大きなメリットでもあるのに、未対応とは実にもったいない。
今後niftyでんきも「電気の見える化」に対応してくれることに期待しています。
請求(引き落とし)が遅い
2017年11月17日から@niftyでんきの電力供給が始まりましたが、なかなか電気料金が引き落としされないのでいつ引き落としされるのか調べてみました。
Q:@niftyでんきの利用料金の引き落とし日はいつですか。
A:月々の電気使用量の請求は、@niftyでんき利用開始日(ご利用月)の翌々月となり、引き落とし日はお客様の決済手段によって異なります。
翌々月請求だそうです。
ということは、2017年12月分は2018年2月に引き落としされるはずです。
しかし、2月が過ぎても引き落としはされませんでした…。
なぜ?
今までniftyのプロバイダ料金を引き落としていましたし、改めて引き落とし口座を登録し直す必要はないはずですが…。
何か手続きに漏れがあったのかと不安になりました。
3月も引き落としされなかったらサポートに問い合わせしようと思っていた矢先、KDDIから異常に高い請求が来ました。
内訳を確認すると、auひかりの料金、niftyのauひかりプロバイダ料金、auスマホ(2台分)、nityでんき料金。
え?
確かにauひかりのプロバイダ料金はKDDI請求にしました。
しかし、電気代は合算で請求して欲しくなかったのでKDDI請求を選択しなかったのですが、勝手にKDDI請求になっていました。
この件についてサポートに問い合わせたところ、下記の回答が来ました。
お調べしたところ、〇〇様がご認識のとおり、@niftyご利用料金のお支払い方法として「KDDI請求」を登録いただいております。
「@nifty auひかり」のお申し込みと同時に「口座振替決済」から「KDDI請求」へお支払い方法を変更されている状況です。
なお、誠に恐縮ながら1つの@niftyIDに登録できるお支払い方法は1つのみであり、ご契約サービスごとに個別にお支払い方法を登録することはできません。
また、一度「KDDI請求」でお支払い方法が確定したお客様は、現在ご契約中の「@nifty auひかり」を解除されない限り、他のお支払い方法へ変更することができません。
ぬおおおおおおお!
そういうことかぁぁぁぁ!
一応請求方法を分ける方法もあるみたいです。
なお、「@niftyでんき」のご契約のみを別の@niftyIDへ付け替え、別のIDで「口座振替決済」を登録された場合は、「@niftyでんき」ご利用料のみを「口座振替決済」でお支払いいただくことが可能です。
ただし、以下2点のデメリットがございます。何卒ご了承ください。
・現在「@nifty auひかり」ご利用料に適用されている「まるっと割」250円(税抜)の割引がなくなります。
・「口座振替決済」をご利用の場合「口座振替決済管理費」として月額200円(税抜)が別途発生いたします。
これだとniftyでんきに切り替えたメリットが半減してしまいます。
仕方ないので請求方法はKDDI請求のままで了承するとします。
しかし、niftyの請求が翌々月請求な上、KDDI請求にするとさらに1ヶ月遅れるようです。
2017年12月分の請求が2018年3月に引き落としされましたので、3ヶ月後ということになります。
ちょっと遅すぎる気がしますが、これも仕方ないですね。
niftyのサポートは私の意向を理解した上で明確な回答と打開策を提示してくれましたし、それに伴うデメリットもきちんと説明してくれましたので、対応については非常に親切で満足しています。
電力会社を切り替えた感想
私がイメージしていた電力会社の切り替えは光回線みたいに色々なところから電話がかかってきたり、工事が来たりするのだと思っていたのですが、実際はWebから申し込んだだけで、あとは何もせずに完了してしまいました。
本当にめちゃくちゃ簡単です。
これで電気代が安くなって、キャッシュバックがもらえて、ネット料金が安くなるなんて願ったり叶ったりです。
電力自由化で電力会社を選べるのは多くの人が認知しているようですが、実際に電力会社を切り替えた人は全体の10%程度なのだそうです。
賃貸住宅でも切り替えできることはあまり知られていないようですので、是非皆さんに知って欲しいと思っています。
私の場合は「niftyでんき」が一番メリットがあったのですが、ご家庭や地域によって一番お得な電力事業者は変わってきますので、是非電力比較サイトを使ってお得な電力会社を探してみてくださいね。
当サイトが皆様の参考になれば幸いです。